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クローラユニットシステムを用いた雪上にて走行可能な小型モビリティ~Cuboard~

Cuboardは既存のスケートボードを電動式のクローラユニットを用いて雪上や砂上といった悪路においても走行可能にするキットである。本キットをスケートボードに用いることで、手で持ち運べるサイズと重量で雪国などでの移動を快適に実現することを目指す。

概要

Cuboardは既存のスケートボードを電動式のクローラユニットを用いて雪上や砂上といった悪路においても走行可能にするキットである。本キットをスケートボードに用いることで、手で持ち運べるサイズと重量で雪国などでの移動を快適に実現することを目指す。


経緯

私達が雪国に住み始めた当初は、バイクや自転車といった移動手段しか所持していなかった。冬季には辺り一面が雪に覆われ徒歩以外の移動手段の使用が困難であった。徒歩で移動する場合、近場のコンビニに行くにも時間を要し、移動に関する課題が多いことを感じた。 また、車を所持したとしても雪国では積雪時の車移動に時間を要する。具体的には通常15分の道のりが車の屋根雪を降ろし, 暖気運転、車の渋滞(除雪による車線の減少、車の利用率の増加、低速走行)などで1時間ほどになる。つまり、通常時に比べ積雪時には移動に4倍の時間を要する。 また、歩道は除雪が行き届きにくい箇所である。そこで「スケートボードを雪上でも走行可能とする拡張キット」を開発し、雪国での移動を手軽にする。これにより、雪国における積雪時の渋滞は緩和される。さらに学生が積雪時でも自転車を使うように通学できる為、生活の快適性向上にもつながる。


機能

既存のスケートボードに私達が開発した電動式のクローラユニットを取り付けることで、通常のスケートボードでは走行が困難な砂上や雪上といった悪路において人を乗せた状態で走行を可能にしている。クローラユニットには私達のチーム代表の特許技術(特開2016-022912)であるクローラベルトを使用している。さらに外部の負荷から機械要素と動力を保護するために2段階のクラッチを備えている。またこのクラッチにより自転車のように動力を使用することなく惰性での走行が可能となっている。Cuboardの操作には手で持てるサイズの遠隔式のリモコンを使用する。左右の旋回は、スケートボードと同様に体重移動で行う。


開発過程

概要で述べたように雪国での移動は課題が多い。私達は雪国での雪上を走行可能とするキットとしてCuboardを開発した。 私達のチーム代表は過去にクローラ機構を用いたレスキューロボットの開発を行っており、そこで得た技術を他のことに活かせないかと考えていた。4年前、新潟県に移住し、積雪時の移動の問題に直面したため、2年前から本格的にCuboardの開発に着手した。 開発当初は、失敗の連続であった。特に失敗の大きな要因だったのが、遠隔操作式のロボットとしてクローラロボットを開発してきた為、大きな負荷を考慮する必要がなかったことである。最初のプロトタイプでは、人を乗せた状態で直進することは可能であったが全く曲がることが困難であった。さらに安定感も皆無であった。そこで大きな負荷のある状況でクローラ機構を用いて旋回可能であり、10km以上の走行速度でも安定して走行可能な機構を考える必要があった。そこで、私達が着目したのがスケートボードである。スケートボードは安定して高速で走行可能であり、体重移動によって旋回を行う。本メカニズムを用いることで私達は人が乗った状態で最高速度20km以上で走行し体重移動によって旋回できるCuboardを開発した。その後、防水パッケージを製作し簡易防水を施し、水のたまりや雪上での走行を可能とした。現在は動力特性や機械効率、耐久試験の定量的な評価のため試験機を開発し各種試験を実施している。


差別化

Cuboardはスケートボードのデッキにクローラを取り付けた構成となっている、その為Cuboardは既存の乗り物に比べて片手で持てるサイズと重量であり携帯性に優れている. また本キットは悪路における走破性に優れているのも大きな特徴である。通常の電動スケートボードでは雪上の走行が困難である。しかし、Cuboardはクローラユニットシステムを搭載した電動スケートボードである為、雪上にて走行可能である。また、雪上のみならず舗装路、砂利道、浅瀬、砂浜などの走行が可能である。つまり、どの様な環境においても走行可能な小型モビリティーである. さらにCuboardが既存のスケートボードに取付可能なキットであることも特徴の一つである。これによりユーザーは自分の好みのデッキやトラック(デッキとホイールの接続部)を選択可能であり自由にカスタマイズすることができる。 現在,市場に出回っている製品においてCuboardのような携帯性,走破性及びカスタマイズ性を有した小型モビリティーはない.


将来の計画

私達は、Cuboardを来年の6月に販売したいと考えている。その為、現在Cuboardの性能の向上を目指している。販売促進としては、日本各地において試乗体験会を行いお客様からの反応を頂いている。 また、Cuboard開発で得た技術を用いて雪上や砂上といった悪路における運搬手段としての応用を考えている。 最後に私達は、将来の目標として20年後に火星を代表とする地球外惑星における移動・運搬システムの開発を目指している。


他アワードでの受賞歴

大光ビジネスプラングランプリ2016  ファイナリスト


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